この記事では水平線を引くためのコツと注意点を解説します。
水平線はチャート分析の基本中の基本
正しく学べば有効に作用します。「水平線なんかもう知っている」「全然効かない」と思っていませんか?
それは「自分の水平線を使いこなせない事実をツールのせいにしているだけの他責思考」です。
しかし、クラシカルな手法を「こんなのありきたりだ」と馬鹿にして努力をやめてしまうのは誰もが通る初心者あるあるで気持ちはとっても分かります。
重要なのは・・・
使える手法を探してウロウロするのではなく、「水平線」という1つの手段を使えるまで検証して極め、手法に昇華させることです。
この記事がその一助なれば幸いです。
意識さやすい水平線を探すコツ
市場で意識されやすい
水平線を探すコツを⑦つ解説します。
①トレンドの安値と高値を意識する
上の画像を見てください。トレンドの中で目立つ高値と安値に水平線を引いていきましょう。1つは1度天井を付けて反落していった高値(赤矢印の箇所)に水平線を置いてみます。
もう1つは買い支えが入っている所(青矢印の箇所)です。上昇の後、買い支えが入っています。この反発に注目して線を引きました。
②以前のトレンドでも意識されているか確認する
先程の水平線を引くコツ①で(黄色矢印の箇所)にしっかりと買い圧力が入っているのは偶然ではないと思われます。
これは確度が高い証拠として、前回のレンジ相場でもレジスタンスとして複数回意識されている(赤矢印の箇所)のが非常に大きいです。
以前の相場で意識された水平線は、次のトレンドでも意識される傾向にあります。
③ヒゲにとらわれすぎない
個人的にはヒゲ先にとらわれすぎるのはよくないと思っています。「水平線を引くコツ」を総合的に見て、ヒゲ先のほうがよければヒゲ先に引く、総合的に見て終値の方がよければ、終値に引くといった工夫をした方が精度が高まるはずです。
ヒゲ先はダメだとか終値がいいとか、そういった極論ではなく柔軟に対応することが必要だということですね。
④サポレジ転換を意識する
今までサポートだったものがレジスタンスに変わる、今までレジスタンスだったものがサポートに変わるという風に
サポートとレジスタンスが転換するレートは、非常に多くの市場参加者に意識されています。
ロールリバーサルと言われているものです。
ロールリバーサルを積極的に使っていきましょう。
サポレジ転換を意識することは最重要ポイントだと思っていますので活かしてみてください。
⑤等間隔を意識する
ある程度意識されているとわかった水平線が2本見つかったら、完璧でなくてもそれに近い幅で3本目の水平線を設置してみてください。
上のチャートでいうと、まず先にaとbの水平線が引いてあったとして、aとbの間隔である1を基準に、ほぼ等間隔の2つとなるようにc,dを引くという流れになります。そして、c,dがこの記事で紹介しているコツを満たすポイントがあるかどうかを探すとより精度が高まります。
なぜなら、等間隔の方が色々と効率が高いです。取引をする場合に、単純にリスクリワード計算がしやすい、分割決済ポイントを設定しやすい、というメリットがあります。
さらに、それより大きいのは、同じ時間軸で同じローソク足を見てトレードする市場参加者は決済幅を突然、変えたりしないからです。例えばその日のうちに、さっきは10pips利確したけど次は1000pipsで利確しようという風に、短い時間軸の中で突然、決済幅を変える人ってほとんどいないです。
ある程度一定の戦略を持って、ある程度一定の値幅を狙ってトレードしている人が多いです。そのロジックでいうと、水平線で意識されている幅っていうのは、ある程度似てくるというイメージです。
⑥窓に引くことも意識する
窓に引いた線は後々、意識されやすいです。単純に反発、反落しやすい線として機能するので、一応置いておいて損はないと思うのが窓の線です。
窓はとりあえず、2本、線を引いておいていいかもしれません。
⑦価格の節目周辺を意識する
例えばユーロドルなら、1.10000という(ゼロゼロ)ナンバー、キリ番節目の分かりやすい価格があり、注文が入りやすい傾向があります。また、長いこと意識され続ける傾向があります。
綺麗な価格の節目であれば特に意識されやすいですね。しかし、このような節目のレートにとらわれすぎるのも良くないです。ここまで紹介したコツを満たし、なおかつ、価格の節目であればより精度が高まるのではないかと考えます。補助的な意味合いであれば、非常な有効な手段かと思います。
✏️ポイント
水平線の引き方にはコツがあります!まずはこの7箇条を意識してみてください
水平線を引くときに注意すべき3つポイント
ここまでは市場参加者に認識されやすい水平線を探すコツをお伝えしました。
ここからは注意点、水平線を引く時に悩まされやすいポイントを③つ解説していきます。
①オーバーシュート
オーバーシュートとは「行き過ぎ相場」のことです。非常に強烈な乱高下は「異常値と捉えて無視する勇気」も時には必要です。
気持ち悪いという風に感じる方も多いと思うんですが、時には仕方ありません。
多くの市場参加者に意識される線を引くためにやっているのにオーバーシュートは多くの市場参加者が存在していないところでの行き過ぎレートの可能性が高いです。
そして、後々、活かせないとこもあるので無視する必要も出てきます。
②価格周辺を意識する
水平線エントリーでものすごく狭い値幅で損切りを設定してしまうのは、損切り貧乏になりがちです。
水平線でエントリーする時は、少し余裕を持って行動する必要があります。
水平線に対して、ある程度幅を持って反発作用すると考えて立ち回らないと、心労・ストレスがすごいです。
また、証拠金の消耗も損切り貧乏によって早くなってしまいますし、結果的に上がっていったことろを取れなかったという機会損失になる可能性もあります。ガチガチに固め過ぎるのは危険だということですね。
③水平線引きすぎ病に注意する
それっぽいところにひたすら水平線を引きまくると、勝てません。私もこんな時期ありました。
判断する要素を多すぎると、自分にとって都合のいいものばかり選んでしまうことになります。
損切り判断は遅くなります。
「ローソクがここまで下がってきたら」
「でも、こことここにそれっぽいラインがあるから、ここまで耐えよう」等。
そして、利確は早くなってしまいます。
「利確はここに重要な水平線ぽいのがあるからここで利確しよう」
とか言ったりして。
都合のいい情報ばかりくみとって、結果的に利確は早くなって損切りは遅くなり、リスクリワード比率が悪くなるということです。
水平線を引く上で、「水平線引きすぎ病」だけは絶対に避けなければいけないというのが私の考えです。
✏️ポイント
水平線は引きすぎてもいけないし、厳密にとらわれすぎてもいけません
「水平線引きすぎ病」対策に使える2つの補助ツール
ここまで紹介したコツ「等間隔」「サポレジ転換意識」など守れば、「水平線引きすぎ病」にはならないと思います。でも、どうしても水平線を引いていて補助が欲しい、ある程度インジケーターを使って自分の線引きをサポートしてほしいと思ってたら、これから紹介する②つを活用してみてください。
①移動平均線(MA)と重ねる
例えば、200SMA。このような移動平均線を補助に使うと「水平線引きすぎ病」から多少は脱却できると思います。
多くの市場参加者に意識されるところを可視化するために水平線を引いています。
その補助に多くの市場参加者に意識されている移動平均線を使うのは非常に合理的です。
水平線と移動平均線がクロスする位置というは根拠が2つありますので「反応しやすいから設置するのは合理的」だと考えられます。
ここまで紹介した①〜⑦までのコツを満たした上で、移動平均線(MA)と重なる場所意外を消していくとか、MAと重なった水平線を基準にして等間隔で水平線を引いていくという作業をするとか、そのような考え方で1つの基準を作るとやりやすいと思います。
②出来高プロファイルを活用する
TradingViewの機能(有料版)ですが、出来高プロファイルというものを表示させます。この機能は見えている範囲で最も注文が入っているレートを可視化してくれます。
多くの参加者に意識されるレートというのは、買いも売りもどちらも注文がたくさん入っているということです。注文が全く入らなければ、そこは注文がスベる、ローソク足が伸びやすいので。逆にに反発しやすい・止まりやすいところは、注文が多いですね。
つまり出来高プロファイルを表示させ、多くの注文が入っている所に沿ってとりあえず水平線を引くことで、それっぽい線は成立してくるということです。
こちらも合わせて読んでみてね
補助ツールを使う際の注意点
最後に1つだけ、水平線を引くときの注意点をお話します。
「水平線引き過ぎ病」対策のために移動平均線、出来高プロファイルを使ってみてくださいとおすすめしましたが、全部使えということではありません。
無論使わなくてもいいですし、状況により使い分けてもOKです。
大切なのは自分自身でしっかりと時間をかけて検証する
その中での自身の気づきからこれが一番自分のスタイルに合いそう、使いやすいなと思ったものを使ってみてください。
情報がたくさんあると、その情報の中から自分のポジションにとって都合のいいものだけつまみ食いしてしまうことになりかねません。つまり自分のバイアスを増長してしまう、悪い思考の癖がつくこともあります。
2つのインジケーターを表示させていると、そのうち1個だけ反応したら利確してしまうなど、損小利大の逆になってしまうケースが非常に多いです。
検証していいと思った1つを採用するなどしてシンプル化しましょう。
そうしないと「水平線引き過ぎ病」とはまた別の「インジケーター表示させすぎ病」になってしまいます。
紹介したツールは一見すごく有用そうに見えますが、あくまで補助的に使ってください。
✏️ポイント
水平線引き過ぎ病に陥らないために使うのが補助ツール
インジケーター表示させ過ぎ病にならないよう、自分の検証したものに合うものを選ぶようにしよう
おわりに
水平線はエントリーに使えますが、環境認識をせずに、やみくもに水平線エントリーをしていいわけではありません。平行チャネルなどを用いて、相場全体の流れをよく観察しましょう。
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